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目的別推し本

ほっこりしたいとき、キュンとしたいとき、ドキドキしたいとき。皆さんはどんな時に本を読みますか?目的別に推し本(オススメの本)を紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです。

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【おすすめ小説】暴走する正義|感想・評価・レビュー―これは豪華!! SF界巨匠の共演アンソロジー

小説 怖い…… SF

暴走する正義 日本SF作家クラブ

 

 今回は、日本の巨匠SF作家の作品を集めた短編集のご紹介です。

 参加している作家は、以下のとおり超豪華。

 時をかける少女、旅のラゴスの筒井康隆さん。

 ショートショートで有名な星新一さん。

 日本沈没の小松左京さん。

 ゲゲゲの水木しげるさん。

 などなど、計9名の巨匠の作品が一つのテーマの基に収録されています。

 そのテーマとは、「管理社会」

 もし将来日本がこうなってしまったら……あなたはその社会に順応することができるでしょうか。

f:id:macchahiko:20160423115512j:plain

以下、裏表紙より一部引用

 

ある日、<正義>はわたしたちに牙をむくかもしれない。あの戦争を体験した先人たちが描く残酷な未来。

 

今回は、9つある作品の内、特に私の心に残った2編をご紹介します。

 

 

闖入者

 

 安倍公房さんの作品です。

 

 ある日突然なんの前触れもなく、主人公Kの住むアパートに、9人の大家族が押しかけてくる

 名前も顔も知らないその闖入者たちは、ふてぶてしくもKのアパートに居座り続ける。

 Kはなんとか抵抗を試みようとするも、親身になって助けてくれる者もいない。

 自分が稼いだ給料も奪われ、自分の部屋であったはずの場所にいることも許されない奴隷のような日々が始まった。

 

 私は1Rマンションの一室に住んでいます。

 Kと同じような住居環境です。

 大家さんと顔を合わせたことはないですし、近所づきあいもありません。

 そんな状況下で、この作品に出てくる闖入者たちに居座られたら……。

 などと、自分の身に置き換えて考えてみて、ゾッとしました。

 理不尽な状況に胸が掻き毟られるような物語でした。

 

 

カンタン刑

 

 官能小説家としても活躍した、式貴士さんのデビュー作です。

 

 主人公は猟奇的殺人事件の犯人、草田八郎。

 8人の女性を殺した罪で起訴されたかれに下った判決は、「カンタン刑」。

 「肝胆を寒からしめる」ところから来ていると言われているこの刑は、とにかく恐ろしいものとして世間に認知されている。

 草田についていた弁護士も、刑が確定した時には「せめて死刑に……」という程である。

 草田自身も、カンタン刑とは残酷すぎる。せめて殺してくれ。とまで考えている。

 重罪人に向けての残酷な刑罰、カンタン刑が、いま、始まる。

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 みなさんのお楽しみを奪ってはいけないので、刑の内容については一切触れません。

 が、とにかく恐ろしい刑です。

 よく思いついたなと、作者の想像力に敬意を表するとともに、畏怖も感じざるを得ません

 なにより恐ろしいのは、その刑を受けている最中に草田が感じる様々な感覚と感情の描写。

 これがあまりにもリアリティがあって、まるで自分に起きていることのように思えてきます。

 何度も何度も鳥肌がたち、幾度となくページから目を離して、ふぅ、とため息をつきました。

 「カンタン刑」に込められた、本当の意味とはなんなのでしょうか……。

 皆さんはこんな刑罰が導入されるとしたら、賛成ですか? 反対ですか?

 

 

まとめ

 

 それぞれの作品に違う味があるので、全く飽きることがありません。

 ただ、上に紹介した2つがかなり強烈です。

 特にカンタン刑はグロテスクな表現もあります。

 苦手な方は、遠慮せずに読み飛ばしてしまってください。

 逆にエログロ大好物だという方にはおすすめしたい一冊です。

 日本を代表するSF作家の作品が一気に味わえるこの「暴走する正義」。

 SF好きにはたまらない、贅沢ができる本です。

 

暴走する正義 ちくま文庫 日本SF作家クラブ

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最後に

 

 最後まで読んでくださりありがとうございます。

 今日のオススメ作品、いかがでしたか?

 こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。

 読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。

 ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。

 

目的別おすすめ度

怖い作品を読みたい時:★★★★☆ 4

SF:★★★★☆ 4

 

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