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目的別推し本

ほっこりしたいとき、キュンとしたいとき、ドキドキしたいとき。皆さんはどんな時に本を読みますか?目的別に推し本(オススメの本)を紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです。

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日本人はなぜ戦争へと向かったのか下|感想・レビュー・評価【オススメ本】

『日本人はなぜ戦争へと向かったのか「下」 NHK取材班 編著』

 

 3月27日に「上」を紹介しましたので、今回は「下巻」のご紹介です。

 

 上巻はこちら

oshibon.hatenablog.com

 

 

 

当時の日本首脳陣も、戦争を望んではいなかった

 

 海軍も陸軍も、そして政府首脳も、アメリカと戦争をして勝つ確率が高いとは思っていませんでした。

 なのになぜ、結果的に太平洋戦争は起こってしまったのか。

 このシリーズでは、その要因を、大きく4つに分け解説します。

 上巻では、外交政策の誤りと、暴走する陸軍の2つを。

 そしてこの下巻では、

  1. メディアと民衆
  2. 指導者

 この2つのテーマについて解説しています。

 

 

「世論」の扱い方を間違えた日本

 

 戦時中のメディアについて、あなたはどういう印象を持っているでしょうか。

 政府や軍部から情報統制をしかれ、言論を弾圧された被害者というイメージがあります。

 確かにそうした側面は存在したのでしょう。

 しかし、当時の新聞発行部数に目を向けると、また違う側面も見えてきます。

 1931年まで400万部だった数値が、満州事変をきっかけに急増。

 太平洋戦争開戦の年には、その2倍以上の800万部を超えたのです。(当時の大手新聞三社の発行部数合計)

 新聞各社はなにも最初から政府の意にそう形の立場をとっていたわけではなく、むしろずっと批判的な立場にありました。

 その潮流が決定的に変わる事件が、1931年におこります。

 中国に手敵情を偵察していた陸軍将校3名が中国兵に拘束され、殺害後に遺体をも残虐に弄ばれたという事件です。

 この事件を、各新聞社は、残虐性を強調したセンセーショナルな記事として国民に伝えました。

 その方が発行部数が伸びると判断したからでしょう。

 結果、世論は一気に「中国憎し」に傾きます。

 好調な発行部数に気をよくした新聞は、世論に寄り添うように、「満州拡大」を支持し、さらに国民をあおっていきました。

 実はこの時、大手新聞社内では朝日新聞社のみが満州の拡大に慎重論を唱えていました。

 しかし、中国憎しを植えつけられた世論は、朝日新聞不売運動をもってその論調に応えます。

 こうして朝日新聞社内でも軍部支持やむなしとなり、世論を操作するはずのメディアが、世論に操作され始める状況が生まれました。

 

 

政府をも突き上げるメディアと世論

 

 1941年、日中戦争のさなかにあり、さらにアメリカ、イギリス、オランダからの経済制裁に苦しむ日本。

 特に石油はこの3カ国から、94パーセントを輸入していたため、日本にとっては深刻な状況でした。

 そんな中、日本国内では、経済制裁など力で跳ね返せという世論が高まりを見せます。

 新聞・ラジオでは、勝った勝ったと連日勝利の報道しかされないため、国民は自国の国力について誤った自覚症状を持っていました。

 しかし時のリーダー達は違いました。

 日本の国力とアメリカの国力を冷静に比べ、勝ち目が薄い事もわかっていた。

 当然外交による解決を目指していくわけですが、アメリカから出される条件は、大陸からの撤退。

 すでに大勢の人が日中戦争で死んでおり、なおかつ巨額の資金も投入された後です。

 ここで引けば戦死者になんと言えばいいのか。

 なんの見返りもなく引くことはできない。

 しかしアメリカとの戦争は避けたい。

 様々な人の様々な思惑が交錯し、日本は「コレ」という一本筋の通った国策を打ち出せないままでした。

 結果的に、半ば世論に流されるようにして開戦に踏み切った日本のリーダー達。

 彼らの守りたかったものは、いったいなんだったのでしょうか。

 

 

まとめ

 

 今回もめちゃめちゃ簡単にまとめたものになりますので、詳細は実際に読んでみていただければ嬉しいです。

 この下巻では、「世論」という大きな渦が、政治にどう影響を及ぼしたかというテーマが語られています。

 私たちも、テレビでこう言っているからこうなんだろう。

 と、安直に信じるのではなく、常に自分なりの自制心を持った報道の見方をしていく必要があると感じます。

 民意、世論という目に見えない大きな渦に巻き込まれ、辛い思いをしている人は少なくありません。

 むしろ、大多数の日本人が、この世論との折り合いの中で、大小あるものの息苦しい思いをして生きている気がします。

 世論が戦争へと傾いていった1930年代から80年たった現在。

 私たちはどれほど、前に進めたのでしょうか。

 

日本人はなぜ戦争へと向かったのか(下) NHK出版 NHK取材班

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最後に

 

 こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。

 読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。

 ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。

 

 

目的別おすすめ度

自分を高めたい時に読む本:★★★★☆ 4

大切な人のために読む本:★★☆☆☆ 2

 

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