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目的別推し本

ほっこりしたいとき、キュンとしたいとき、ドキドキしたいとき。皆さんはどんな時に本を読みますか?目的別に推し本(オススメの本)を紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです。

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そして五人がいなくなる:はやみねかおる|感想・レビュー・評価【オススメ小説】名探偵の定義とはなにか。夢水清志郎の答えがかっこいい

小説 ミステリ 大切な人のために読む本 笑える本 ジュブナイル

『そして五人がいなくなる:はやみねかおる』ジュブナイルミステリの殿堂入り

 

 こんにちは、じょんです。

 1994年に青い鳥文庫で刊行された、夢水清志郎シリーズ1作目、「そして五人がいなくなる」を紹介します。(現在は講談社文庫でも出版されています)

 皆さんの中にある、名探偵の定義とはなんでしょうか。

 「難解な事件をあざやかに解決する人」という意見が多そうですね。

 夢水清志郎の意見は違います。

 「みんなが幸せになれるように事件を解決すること」それが出来るのが、名探偵であると。

 彼のこのモットーは、シリーズを通して守り続けられます。

 ただ事件を解決することと、みんなが幸せになれるように解決することは、はたしてどう違うのか。

 そして彼自身の魅力を少しだけ、紹介させてください。

 

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以下、裏表紙より引用

 

夏休みの遊園地。衆人環視の中で”伯爵”と名乗る怪人が、天才児4人を次々に消して見せた。亜衣たち岩崎家の隣人で自称名探偵、夢水清志郎が颯爽と登場!と思いきや「謎はわかった」と言ったまま、清志郎はなぜか謎解きをやめてしまう……。年少読者に大人気、誰もが幸せになれる噂の本格ミステリ、文庫化!!

 

 

夢水清志郎の生態

 

 他の名探偵もそうであるように、やはりこの夢水清志郎も、奇人変人の類です。

 彼に基本的な常識を求めてはいけません。

「人間、生きていくのに、必要なものは、本と、それを寝ころんで読むためのソファー。それだけだね」

 という言葉通り、彼の家にはその他家具類がほとんどありません。

 彼の住む洋館の表札には、「名探偵 夢水清志郎」とわざわざ書いています。

 睡眠と食事を忘れるのはしょっちゅうです。

 が、決して無頓着なわけではなく、いざ食事となれば、何がいいかにがいい。

 一度入眠すれば気が済むまで起こされたくないという、困ったサンぶり。

 いつも同じ黒の背広と真っ黒なサングラスをかけている。

 ”いつも”とは、そのままの意味で、寝る時も毎日その恰好です。

 そして極めつけが、ザルとしか思えない記憶力。

 自分の年齢、生年月日。過去に解決した事件。

 全部忘れています。

 

 

名探偵の矜持

 

 ここまで読むと、夢水清志郎ってヤバい人なんじゃないかと思ってしまうかもしれませんが。

 安心してください。ヤバい人です。

 それでも少年少女の胸に深く突き刺さるこのシリーズ。

 そのカギも、やはり夢水清志郎が握っています。

 一人目の少女が消されてしまった後、少女のピアノ講師である女性に、「あの子を助けてあげてください」と言われます。

 するとこの名探偵、こう返すわけです。

「ぼくは名探偵です。犯人をつかまえるだけの警察とは違います。きっと、みさちゃんが一番幸せになれるように、事件を解決しますよ」(みさちゃんは消された少女の名)

 彼の魅力は、このセリフに集約されています。

 この物語の中では、みさちゃんを始め、全部で4人の子供たちが行方不明になります。

 その子たち全員を含め、関係するいろいろな人が幸せになれるように、事件を解決に導くのです。

 

 

人が、「読書好きになるきっかけ」を孕んだ本

 

 この本、実は私が読書にはまるきっかけを与えてくれた本の一つです。

 私が未だ小学生の時分、いとこの家で見かけた青い鳥文庫の、「パスワードシリーズ」。

 そして同じく青い鳥文庫から出ていた夢水清志郎シリーズ。

 どうしても忘れられない2シリーズです。

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 特にこの夢水清志郎シリーズは、パスワードシリーズに比べ少し大人向けの雰囲気が有り、今も十分に楽しめる作品だと感じます。

 秀逸なのはやはり、夢水清志郎の探偵としての矜持。

 大人になった今だからこそ、それを実現する難しさがわかる。

 実際、斜に構えて読むと、「全ての人が」幸せになっているわけではないことに気が付きます。

 そのあたり、夢水清志郎はどんな気持ちで事件にあたっていたのか。

 どう自分の中で折り合いをつけていたのか。

 時がたっても違う読み方ができる、本当に素晴らしい本です。

 

 

読むにあたって

 

 もともと年少読者向けに書かれた本です。

 小学校中学年くらいから読めるレベルだと思います。

 前述のとおり、読書好き人間を生成する可能性を持った本なので、お子さんに読ませてみてはいかがでしょうか。

 この本が書かれた背景も面白いです。

 作者、はやみねかおるさんは、もともと小学校教師。

 児童が夢中になれる本は無いかと探したりしているうちに、自分で書くことに。

 この本、そして五人がいなくなるを書いた時、未だ20代だったそうです。

 私も、読書人口がもっと増えていってほしいと願う一人です。

 ブログを書いている理由も、一部はそこにあります。

 もっと詳しく知りたい方は、下の記事をどうぞ。

 

 

oshibon.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

 夢水清志郎の魅力、少しは伝えることができたでしょうか。

 この書評が、少しでも参考になって、次はこれを読んでみようかななどと思っていただければ幸いです。

 夢水清志郎が幸せにするのは、なにも作中の人物に限らず、読者であるあなたもその対象かもしれないですね。

 なんちゃって。

 

 

最後に

 

 こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。

 読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。

 ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。

 

 

目的別おすすめ度

笑える本:★★★☆☆ 3

ミステリ:★★★★☆ 4

大切な人のために読む本:★★★☆☆ 3

 

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